リサイクル法

ゴミを減らし、資源を無駄遣いしないリサイクル型社会を作るために、クルマのリサイクルについてクルマの所有者、関連事業者、自動車メーカー・輸入業者の役割を定めた法律です。

①クルマの所有者 (最終所有者)リサイクル料金の支払い、自治体に登録された引取業者への廃車の引渡し。

②関連事業者 引取業者最終所有者から廃車を引き取り、フロン類回収業者または解体業者に引き渡す。フロン類回収業者フロン類を基準に従って適正に回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡す。

解体業者廃車を基準に従って適正に解体し、エアバッグ類を回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡す。破砕業者解体自動車(廃車ガラ)の破砕(プレス・せん断処理、シュレッディング)を基準に従って適正に行い、シュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る老廃物)を自動車メーカー・輸入業者へ引き渡す。

③自動車メーカー・輸入業者 自動車メーカー・輸入業者自ら製造または輸入した車が廃車された場合、その自動車から発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を引き取り、リサイクル等を行う。

2.どうして自動車リサイクル法が必要?

現在、年間で約350万台程度のクルマが廃車されています。クルマは鉄などの有用金属から製造されているため、総重量の約80%がリサイクルされ、残りの約20%がシュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残るプラスチックくずなど)として、これまで主に埋立処分されてきました。ところが近年、この最終処分場の容量が不足してきたこと、これに伴って処分費用が高騰してきたことなどから、廃車の不法投棄・不適正処理の懸念が生じていました。 また、カーエアコンに冷媒として充填されているフロン類は、きちんと回収処理されないとオゾン層破壊や地球温暖化問題を引き起こす要因となってしまうこと、さらに、エアバッグ類は自動車解体時に専門的技術が必要とされることなどから、これらを適正に処理するため、新しいクルマのリサイクルの仕組みとして自動車リサイクル法が作られました。

3.対象となるクルマは?

自動車リサイクル法の対象となるクルマは、以下に挙げるものを除く基本的にすべてのクルマ(トラック・バスなどの大型車、特種自動車(いわゆる8ナンバー車)も含む)となっています。

<対象外となるクルマ> ? 被けん引車? 二輪車(原動機付自転車、側車付きのものも含む)? 大型特殊自動車、小型特殊自動車? その他農業機械、林業機械、スノーモービル等

4.リサイクル料金をクルマの所有者が負担するのはどうして?

自動車リサイクル法では、自動車所有者、自動車製造業者、関係事業者各々の役割が定められています。自動車製造業者及び関係事業者においては、使用済自動車の適正処理が求められており、自動車所有者に対しては、自動車の長期使用や購入時の環境配慮設計自動車の選択などに加え「使用済自動車の排出者」としての役割が求められています。これはいわゆる「排出者責任」と言われるものですが、廃棄物の処理に伴う環境への負荷の低減に関しては、その一義的な責任を排出者が負わなければならないとの考えのもと、自動車リサイクル法においては、クルマの所有者に使用済自動車の排出者として処理費用をご負担頂くこととしています。ぜひともご理解を頂きますようお願い致します。

5.リサイクル料金っていくらかかるの?

クルマのメーカー、車種によって1台ごとに違います。リサイクル料金は、自動車メーカー・輸入業者によって、クルマ一台毎にシュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残るプラスチックくずなど)の発生量、フロン類の充てん量、エアバッグ類の個数・取り外しやすさなどから設定されています。

3品目のリサイクル料金の合計額の水準

●軽・小型乗用車(コンパクトカー)エアバッグ類4個、エアコン有り 7千円~1万6千円程度 ●普通乗用車エアバッグ類4個、エアコン有り 1万円~1万8千円程度 ●中・大型トラックエアバッグ類2個、エアコン有り 1万円~1万6千円程度 ●大型バスエアバッグ類2個、エアコン有り 4万円~6万5千円程度 ※加えて、資金管理料金380円(新車購入時)または480円(車検時または廃車時)、情報管理料金230円(H18.4.1改定)が必要となっています。

6.リサイクル料金はいつ支払うの?

原則、新車購入時にリサイクル料金を支払っていただくこととなります。 リサイクル料金を支払うと、リサイクル券や領収書が発行されますので、確実に入手するようにしてください。 ちなみに、リサイクル料金を支払ってあるクルマを他の人に売る場合は、次の所有者の方から、車両部分の価値金額に加えて、リサイクル料金相当額を受け取る権利があります。

7.リサイクル券ってどんなもの?

リサイクル券とは、リサイクル料金を支払った場合に、それを証明するために発行される書面です。リサイクル券は廃車にするまで、車検証とともに大切に保管するようお願いします。

8.リサイクル料金はだれが管理するの?

クルマの所有者から支払われたリサイクル料金は、資金管理法人(財団法人 自動車リサイクル促進センター)外部リンクがお預かりし、廃車となってリサイクルが実施されるときまで、その厳格な管理を行うこととなっています。

9.クルマはどんなものにリサイクルできるの?

使用済みとなったクルマは解体業者等により、エンジンやボンネット等再利用可能な部品として再利用されています。また、回収された鉄などの有用金属は、素材としてリサイクルされています。 さらに、クルマの解体・破砕後に残る自動車破砕残さ(ASR)についても、埋立処分だけでなく、素材としてのリサイクルや熱源としての回収利用が図られており、2015年にはクルマ一台としてのリサイクル率が95%を達成できるよう、自動車メーカー・輸入業者がその取組を進めています。

10.自動車リサイクル法で社会はどう変わるの?

自動車リサイクル法によって自動車由来の廃棄物が削減されることはもちろんですが、不法投棄車両の撤去など私達の生活環境の改善に繋がります。また、自動車の長期使用や中古部品の活用、環境配慮設計の自動車選択などの取組が進むことにより、資源循環型社会が構築されます。

資料参照/製造産業局 自動車課